ダイエットの理論

アルコールを飲むときはビタミン不足に注意!アルコールとビタミンの密接な関係とは?

アルコールとビタミンの関係

クリスマスやお正月、忘年会や新年会など、年末年始はイベントが多くお酒を飲む機会も増えますよね。

お酒好きな方はもちろん、普段はあまり飲まないという方も、この時期ばかりはアルコールの摂取量が増えるのではないでしょうか?

アルコールを多く摂取すると翌日以降の体調不良につながったり、さらに慢性的になると様々な病気を引き起こしたりする可能性があります。

そんなアルコールの健康への悪影響を抑えるためには、あるビタミンがポイントとなります。

アルコールとビタミンの密接な関係を知って、アルコールと上手に付き合いましょう!

アルコールを飲むとビタミンが消費される

アルコールをたくさん飲むと、翌日以降に疲労感が残ったり体調不良を感じたりすることはありませんか?

これは摂取したアルコールを代謝するために、あるビタミンの消費量が増加するためです。

そのビタミンが

  • ナイアシン
  • ビタミンB1

です。

ナイアシンは皮膚や粘膜の健康維持に役立っています。

さらに、体内の酸化還元反応には欠かせない栄養素で、糖質やエネルギーの代謝にも関与しています。

また、ビタミンB1は糖質やエネルギーの代謝に必要な栄養素で、活動のためのエネルギーをつくり出し疲労回復にも役立っています。

アルコールを多量に摂取すると、アルコールを分解するためにナイアシンやビタミンB1が通常より多く消費されます。

さらに、アルコール摂取によってビタミンなど栄養素の吸収が阻害されることもわかっています(※1)。

このようなことから、ナイアシンやビタミンB1が不足してエネルギー生産が追いつかず、疲労感や体調不良につながるのです。

アルコール代謝とビタミンの関係

画像引用:アルコール代謝の仕組み(アサヒビール)

アルコールを分解するためにビタミンが消費されるメカニズムについてみていきましょう。

まず、お酒を飲むとアルコールは胃腸で吸収され、血液に乗って肝臓に運ばれます。

肝臓ではアルコール脱水素酵素が働いてアルコールを分解しますが、このときに補酵素としてナイアシンが働きます。

さらに、アルコール量が多いと酵素の働きだけでは追いつかず、別の方法でもアルコール分解がはじまります。

そこで必要とされるのがビタミンB1です。

アルコールがアセトアルデヒドに、アセトアルデヒドが酢酸に変換される過程や、酢酸をエネルギー産生回路に取り込んで分解する過程などでビタミンB1が消費されます。

このため、アルコールをたくさん摂れば摂るほどビタミンの消費量が増加するのです。

実際に、アルコール摂取によるビタミンB1需要量の変化を調べた研究があります。

この研究では、アルコール歴や肝障害のない22~24歳の男性を対象に、ウイスキー200mlとビタミンB1約0.1mgを含むつまみを摂取したときの血中ビタミンB1濃度を測定しています。

実験の結果、血中のアルコール濃度が上昇するとともにビタミンB1濃度も上昇し、時間が経つにつれてビタミンB1濃度が低下していきました(※2)。

つまり、アルコール摂取によってビタミンB1需要量が増えて血中に放出され、消費されていったと考えられるのです。

アルコール過剰摂取・ビタミン不足によって引き起こされる影響

二日酔い

アルコールの多量摂取によってビタミンの消費量が増加すると、ビタミン不足が引き起こされる可能性があります。

アルコールの過剰摂取やビタミン不足になると、私たちの身体にはどのような影響があるのでしょうか?

それぞれ代表的な疾病・症状をご紹介します。

アルコール過剰摂取によって起こる疾病

肝機能障害

アルコールは肝臓で分解されますが、過剰なアルコールを摂取すると肝臓に負担がかかります。

すると、肝細胞が炎症を起こして腫れ上がったり、線維化や壊死を引き起こすことがあります。

これが悪化すると、肝硬変や肝臓ガンになることもあります。

また、アルコールが分解されると中性脂肪が生成されますが、この中性脂肪が肝臓に貯まると脂肪肝を引き起こします。

脂肪肝になると肝臓への血流が阻害され、肝機能が低下するのです。

肝機能障害が起こると、食欲不振や倦怠感、発熱、悪化するとむくみや腹水といった症状が現れます。

脂質異常症

アルコールの過剰摂取が続くと、肝臓で合成される中性脂肪が増加します。

さらに、お酒を飲むときには脂質の多い食事になりやすいこともあり、血中脂質が上昇します。

血中脂質が上昇して脂質異常症になると、動脈硬化や膵炎の原因となる可能性があります。

また、アルコールの摂取によってHDLコレステロールも上昇します。

HDLコレステロールは動脈硬化予防の効果があると言われていますが、基準値を超えて増加すると虚血性心疾患などを引き起こすことがあります。

さらに、アルコールの多量摂取が長期間に渡ると血圧の上昇もみられるため、生活習慣病の大きな要因となり得ます。

ナイアシン不足によって起こる疾病:ペラグラ

ナイアシンは通常の食事をしていれば不足することはほとんどなく、日本での発症は稀だと言われています。

ただし、ナイアシンが不足してペラグラになると、皮膚炎や下痢、精神神経症といった症状が起こり、治療しなければ死に至る重篤な疾病です。

ビタミンB1不足によって起こる疾病

脚気

脚気はビタミンB1不足によって起こる代表的な疾病で、全身の倦怠感や心機能の低下、四肢の知覚異常といった症状が現れます。

戦時中・戦後など充分な食事が取れなかった時代には、多くの日本人が脚気によって苦しめられ亡くなったといいます。

栄養状態が改善された現在では脚気の発症は激減しましたが、偏食や習慣的な多量飲酒による発症はなくなっていません。

ウェルニッケ脳症

画像引用:Wikipedia

ビタミンB1の不足によって起こるもうひとつの代表的な疾病が、ウェルニッケ脳症です。

ウェルニッケ脳症は意識障害や眼球運動障害、小脳失調といった症状が起こります。

小脳障害では四肢をうまく動かせなくなり、歩く・立つ・座るといった基本的な動作が困難になります。

放置すると死に至ることもあり、命が助かっても高確率でコルサコフ症候群という後遺症が残ります。コルサコフ症候群は健忘症候群とも呼ばれ、記憶力の著しい低下を引き起こします。

アルコールの過剰摂取やビタミン不足になると、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があることがわかりました。

それでは、それぞれの適正な量はどのくらいなのでしょうか?

1日あたりのアルコールの適量

厚生労働省が推進する「健康日本21」では、適正なアルコールの摂取量を純アルコール換算で約20g程度としています(※6)。

これをお酒に換算すると、アルコール度数5%のビールや酎ハイでは500ml、12%のワインでは200ml(グラス1~2杯)、15%の清酒で180ml(1合)、43%の蒸留酒では60ml(ダブル)程度が目安となります(※1)。

ナイアシンの食事摂取基準

ナイアシンの1日の推奨量は、18~69歳の女性で11~12mg、男性で14~15mgとされています(※7)。

また、平成29年度の国民健康・栄養調査によると、ナイアシンの1日の摂取量の平均は20歳以上の女性は13.7mg、男性は16.5mgとなっています(※8)。

つまり、平均値でみると1日の推奨量をクリアしています。

しかし、飲酒によるナイアシン不足を防ぐためには、飲酒前後の食事やおつまみにナイアシンを多く含む食品を摂取することがおすすめです。

ナイアシンを多く含む食品には、カツオ、マグロ、レバー、落花生といったものがあります。

ビタミンB1の食事摂取基準

ビタミンB1の1日の推奨量は、18~69歳の女性で1.0~1.1mg、男性で1.3~1.4mgとされています(※7)。

平成29年度の国民健康・栄養調査によると、ビタミンB1の1日の摂取量の平均は20歳以上の女性は0.82mg、男性は0.95mgです(※8)。

1日あたりの推奨量にはやや届いていません。

飲酒によるビタミンB1不足を防ぐためには、ナイアシンと同様に飲酒前後の食事やおつまみにビタミンB1を多く含む食品を摂取することがおすすめです。

ビタミンB1を多く含む食品には、豚肉(特にヒレ肉)、うなぎ、落花生、玄米、大豆、えんどう豆といったものがあります。

お酒のお供の定番である落花生(ピーナッツ)はナイアシン・ビタミンB1の両方を豊富に含んでおり、おつまみとして理にかなった食品といえます。

まとめ

お酒を飲む機会が増える年末年始ですが、アルコールの過剰摂取はビタミン不足を引き起こし、体調不良や疾病の原因となり得ることがわかりました。

しかし、「酒は百薬の長」と言われるように、お酒も適量であれば健康に良い影響をもたらしてくれます。

飲酒の適量を守りビタミンを多く含む食品を積極的に食べることで、お酒と上手に付き合いましょう!

<参考>
※1  アルコールとの上手な付き合い方-ビタミン摂取の重要性-、橋詰直孝、武田薬報、2013、473号、特集(https://takeda-kenko.jp/yakuhou/backnumber/pdf/vol473_01.pdf)
※2 最近のビタミン欠乏症の症例におけるアルコールの関与、橋詰直孝、ビタミン、65巻、1991、12号、p617-626
※3 厚生労働省 e-ヘルスネット 情報提供 アルコールによる健康障害 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol-summaries/a-01(アクセス:2019.12.17)
※4 「健康食品」の安全性・有効性情報 ナイアシン https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail181.html(アクセス:2019.12.17)
※5  厚生労働省 e-ヘルスネット 情報提供 ウェルニッケ・コルサコフ症候群https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-052.html(アクセス:2019.12.17)
※6 厚生労働省 健康日本21 アルコール https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html#A53(アクセス:2019.12.17)
※7 日本人の食事摂取基準 2015年版
※8 平成29年 国民健康・栄養調査報告

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yanomi

経歴↓ 大学卒業後、管理栄養士の国家資格を取得。 委託給食会社に入社し、病院・特別養護老人ホーム、病院職員食堂などで勤務しました。 結婚・出産を機に転職し、現在はフリーライターとして活動中です。 食・栄養・健康・美容に関する情報を中心に、ウェブコンテンツの作成を行っています。

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