糖質を摂取すると、その糖質は私たちの体内に吸収される際に、単糖類の「ブドウ糖」に変化します。

ブドウ糖は吸収速度が速く、身体のエネルギーが不足しているときに最も効率よくエネルギー摂取ができる優等生な糖です。

今回は、ブドウ糖について詳しく解説していますので、ぜひ、ブドウ糖に関する正しい知識として参考にしてください。

先に本記事のまとめ

・ブドウ糖は炭水化物を吸収する際の最終形態の糖<br>
・ブドウ糖は脳と赤血球の唯一のエネルギー源<br>
・血中にブドウ糖が過剰になると糖尿病になりやすい<br>
・血中のブドウ糖が極端に減るとケトアシドーシス*が誘引される可能性がある<br>
・血糖値が上がりすぎないような糖質の食べ方を意識する<br>
・ブドウ糖は制限するのではなく、上手に付き合う

*… 血糖値が低い状態が続くことで陥りやすくなる体内の酸性状態

ブドウ糖は太る?答えは「摂りすぎれば太る」

ブドウ糖は私たちの身体で最も吸収されやすく、エネルギーに変換されやすい糖です。

血液中のブドウ糖量が一定より少なくなると、身体の活動を維持するために脳から「ブドウ糖を摂りなさい!」と指令 (=空腹感) がでます。

不足すると脳から指令が出てくるくらい、ブドウ糖は身体にとって欠かせないエネルギー源。

ただし、必要以上に食べれば「中性脂肪」として脂肪細胞に蓄えられますので、肥満につながりやすい栄養素です。

しかし、適量であれば絶対に太りません。

つまり、糖質=太るという概念はあまり適切ではありません。

太る=摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることです!

ブドウ糖とは?糖質が分解された最終形態

お米太る

分子式はC6H12O6で表され、干しブドウから初めて見つかったため、日本ではブドウ糖と呼ばれています。

ブドウ糖は単糖類の一つで「グルコース」ともいい、果糖やガラクトースも単糖類の仲間になります。

先述した通り、糖質(二糖類や多糖類)を吸収するために消化酵素によって分解された最終形態がブドウ糖です。

ブドウ糖はどのように吸収されるのか

多糖類や二糖類が消化酵素によってブドウ糖まで変換されたあと、どのような過程を経て吸収されていくのか説明していきます。

ポイントは、吸収の速度と場所です。

ブドウ糖は吸収速度が速いため、効率よく栄養摂取できる

タンパク質は4時間、脂質は半日ほど消化・吸収にかかりますが、糖質がブドウ糖になるまで30分~1時間ほどです。

この結果、効率の良いエネルギー摂取が可能となっています。

ブドウ糖を摂取すると

  • 頭が冴える
  • 集中力があがる

という効果がありますが、 吸収が早い分この効果も早く見ることが出来ます。

ブドウ糖は「小腸」で血液中に吸収される

食べ物の中に含まれる多糖類は、体内の消化酵素によってブドウ糖などの単糖類まで分解された後、小腸にて吸収されます。

小腸には絨毛と呼ばれる小さな突起がたくさんあります。

ブドウ糖は絨毛にある毛細血管に入り込み、血流にのって身体のさまざまな細胞で利用されます。

ちなみに、タンパク質の分解産物であるアミノ酸も血管へ入り、脂質の分解産物である脂肪酸などはリンパ管の中へ入っていきます。

白米を食べたら1時間ほどでエネルギーに変換!

ダイエット中なにかと嫌煙されがちな白米。

白米には糖質であるデンプンがたっぷりと含まれています。

白米が口の中へ入ると、アミラーゼという消化酵素が唾液中にたくさん分泌されます。

この時点で白米のデンプンは二糖類にまで分解され、胃を通って小腸内でさらに単糖類となり、絨毛から吸収されます。

血中に入ったブドウ糖は「血糖」として細胞のエネルギー源になるため全身をめぐります。

ブドウ糖の体内での役割は2つ

血中に入って全身のさまざまな細胞へ向かうブドウ糖は、以下のような役割があります。

ブドウ糖の血中での役割

・脳と赤血球の唯一のエネルギー源となる
・グリコーゲンとして肝臓・筋肉に貯蔵される

それぞれわかりやすく説明していきます!

【ブドウ糖の役割1】脳と赤血球の唯一のエネルギー源となる

私たちの脳と赤血球は、エネルギー源としてブドウ糖しか利用できません。

血糖値が下がると脳から危険信号が出るのはここに起因しています。

身体の隅々に酸素を運ぶ赤血球と心身の重要な要になっている脳が、もしも働かなくなってしまったら命に関わるため、必死になるわけです。

【ブドウ糖の役割2】グリコーゲンとして肝臓・筋肉に貯蔵される

血糖として身体を巡ったけれど、どこも足りていて余ってしまったときは、ブドウ糖はグリコーゲンに変換されます。

グリコーゲンは動物性グルコースともいわれ、肝臓や筋肉に貯蔵されて必要に応じて分解され、エネルギー源として利用されています。

ブドウ糖の過剰摂取で起こる「糖尿病」について

ブドウ糖が血中で増加すると、血糖値を調整するために膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。

血糖値が安定すればインスリンも減っていくのですが、食べ過ぎやだらだら食べなどで常に血糖値が高い状態が続くと、インスリンは正常通り働かなくなります。

このような状態が長く続くことでインスリンが反応しなくなり、常に血糖値が高いままになる疾患が「糖尿病」です。

ブドウ糖の極端な制限で起こる「ケトアシドーシス」について

高血糖の状態が続くと発症する糖尿病とは相対的に、血糖値が低い状態が続くことで陥りやすくなる体内の酸性状態「ケトアシドーシス」と言います。

血糖値が低くなっても食事としてブドウ糖が摂取されないと、肝臓や筋肉に蓄えているグリコーゲンを活用して糖新生*を行い、ブドウ糖を作りだします。

*…糖新生とは、ヒトや動物が糖質以外の物質から、グルコースを生産する手段・経路のこと。

糖新生を行うことでケトン体という物質もつくられるのですが、体内を酸性に傾けるため、増えすぎると食欲不振や嘔吐などの症状が起こります。

この状態がケトアシドーシスです。

ブドウ糖は制限するのではなく、上手に付き合うことが大切

近年、制限ダイエットなどが流行っていますが、上記に述べたようなケトアシドーシスになりやすい体質の方もいるので、身体と相談しながら臨むようにしてください。

また、糖質には依存性があるので、食べ過ぎて中毒状態になるのも避けたいです。

そこで、上手くブドウ糖を摂り入れるにはどうしたらいいのかを3つにまとめてみました。

  • ブドウ糖になりにくい食品を意識する
  • 食物繊維をしっかりと食べる
  • ブドウ糖の吸収を抑えるサプリメントを活用する

ひとつひとつ解説していきます。

ブドウ糖になりにくい食品を意識する【低GI食品】

食後における血糖値の上昇率により、太りやすいかどうかを数値化したものがGI値です。

糖質を含んでいても、GI値が低いとブドウ糖になりづらく、血糖値も上がりづらくなるため、GI値の低さに注目して食品を摂取することをおすすめします。

例えば、

  • バナナ
  • 玄米
  • さつまいも

などは、糖質を含むながらもGI値は低い食品になります。

食物繊維をしっかりと食べる!

食物繊維は血糖値の上昇を抑える働きがありますので、根菜や海藻類などを積極的に食べるようにしましょう。

少し前に流行ったおからパウダーも、手軽に食物繊維をプラスできるいいアイテムです!

ブドウ糖の吸収を抑えるサプリメントを活用する

付き合いやストレス発散などで、どうしても食べすぎを避けられなかったときは、サプリメントに頼りましょう!

食べた糖質がカットされる類のサプリメントはものすごくたくさん発売されています。

もしも購入するのであれば、脂肪燃焼作用のある成分も添加されているものがおすすめです。

代謝が亢進され、効果が感じやすいかと思います。

まとめ:ブドウ糖の吸収による高血糖に注意しよう

ブドウ糖の吸収についてまとめておきましょう。

本記事のまとめ

・ブドウ糖は炭水化物を吸収する際の最終形態
・ブドウ糖は脳と赤血球の唯一のエネルギー源
・血中にブドウ糖が過剰になると糖尿病になりやすい
・血中のブドウ糖が極端に減るとケトアシドーシスが誘引される可能性がある
・血糖値が上がりすぎないような糖質の食べ方を意識する
・ブドウ糖は制限するのではなく、上手に付き合う

ブドウ糖は私たちにとって欠かせないエネルギー源であり、敵ではありません。

自分自身にとってどのように糖質とつきあっていくのがベストであるか、一度検討してみるといいですね。

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