寒い季節はもちろん、暑い夏にも食欲をそそる「鍋料理」。
身体が温まり、大人数でも一人でもおいしく楽しめるメニューです。
作るのも手軽なため、「自炊でよく鍋を作っている」「冬場は家族で鍋をつつくのが定番!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな鍋料理ですが、「ダイエットに効果抜群である」という説と「ダイエットには逆効果である」という2つの説があるのをご存知でしょうか?
インターネットでは「鍋ダイエット」という言葉もあり、鍋で本当に痩せられるのか疑問に思っている方も多いはず。
そこで今回は、
- 鍋がダイエットに効果的であるといわれる理由
- 鍋でダイエットに逆効果になってしまう注意点
- ダイエットにおすすめの鍋レシピ
以上の3点を中心に、管理栄養士がご紹介します。
鍋は本当にダイエットに効果的なの?鍋でキレイに痩せる理由3つ
鍋は「ダイエットに効果的である」という説と、「ダイエットには逆効果である」という説があります。
どちらが正しいの?と混乱してしまいますが、管理栄養士の私から結論を言わせていただきますと、
鍋は上手に活用すればダイエットに十分な効果を発揮してくれる料理です。
まずは、鍋でキレイに痩せられる理由をご紹介します。
鍋ダイエット理論①油を使う必要がなく低カロリー
鍋料理は基本的に、具材を切って煮込むだけで作ることができます。
そのため炒めたり揚げたりするときに必要な油を使わずに済み、そのぶん低カロリーに仕上がるのです。
脂質は1gあたり9kcalと、三大栄養素と呼ばれる炭水化物・タンパク質・脂質の中で最も高カロリーです。
ダイエットの基本は「摂取カロリー<消費カロリー」にすることですから、脂質で大幅なカロリーカットができるのは嬉しいメリットですね。
鍋ダイエット理論②野菜・きのこをたっぷり摂れる
鍋料理には、野菜やきのこをたっぷりと使うことができます。
生のままでは食べにくい量であっても、鍋に入れて加熱することでかさが減り、無理なくたっぷりの野菜・きのこを食べることができます。
野菜やきのこは基本的に低カロリーですから、カロリーを抑えつつボリュームアップさせることができるのです。
野菜やきのこには、ビタミン・ミネラル、食物繊維が豊富です。
▼なぜダイエット中ビタミンが大切なの?
ダイエット中にビタミンは摂ったほうが良い!ダイエット中の栄養不足を補おう
ビタミン・ミネラルは摂取した糖質や脂質・タンパク質の代謝に欠かせない栄養素で、効率よくダイエットを進めるためには必要不可欠です。
皮膚や粘膜の正常維持にも大切な役割を果たしてくれるため、ダイエット中に起こりがちな肌トラブルなども予防してくれます。
また、食物繊維は腸内環境を改善してお通じを良くしてくれます。
すると老廃物が排出されて、肌トラブルなどの予防・改善につながります。
さらに、食物繊維は糖や脂質の吸収を穏やかにしてくれる作用があります。
これによって血糖値や血中脂質の急上昇が抑えられ、摂取した糖や脂質が体脂肪として蓄積されにくくなるため、ダイエットにも効果的です。
鍋ダイエット理論③PFCバランスを整えやすい
ダイエット中には、カロリーだけでなく栄養バランスを整えることも重要です。
栄養バランスの指標のひとつに「PFCバランス」があります。
▼PFCとは?
【簡単計算】PFCバランスでダイエット成功!現役トレーナーが丁寧に解説
これは、摂取したエネルギーに占めるタンパク質・脂質・炭水化物のそれぞれに由来するエネルギーの割合を示したもので、ダイエット中に理想とされるPFCバランスはP:F:C=4:2:4〜2:3:5といわれています。
鍋は、肉や魚、豆腐などから十分なタンパク質を摂取しつつ、脂質の摂りすぎを抑えることができます。
さらにたっぷりの野菜や〆の炭水化物を適度に摂ることで、理想のPFCバランスに近づけることができるため、ダイエットにも役立つのです。
鍋がダイエットに逆効果になってしまう落とし穴も!注意したいポイント
ここまで、鍋がダイエットに効果を発揮してくれる理由をご紹介しました。
しかし、一方で鍋はダイエットに逆効果だともいわれています。
それはなぜなのでしょうか?
実は、鍋がダイエットに逆効果になってしまう落とし穴があるのです。
ここからは、ダイエット中に鍋を食べるときに注意したいポイントをご紹介します。
鍋ダイエット注意点①高糖質・高脂質な具材を入れすぎない
「鍋はダイエットに良い」といっても、具材に何を入れても良いというわけではありません。
ダイエット中には十分な量のタンパク質と適量の糖質・脂質を摂る必要がありますが、摂り過ぎにならないようにすることも大切です。
特に、高糖質・高脂質な食材を入れすぎないようにしましょう。
糖質の多い具材としては、お餅や春雨・マロニーなどが挙げられます。
春雨やマロニーはヘルシーなイメージがあるかもしれませんが、主成分はデンプンで主食並みのエネルギー量があります。
春雨やマロニーを食べたいときは、糸こんにゃくやしらたきで代用するのがおすすめです。
また、高脂質な食材としては脂身の多い肉、チーズなどに注意しましょう。
豚肉や牛肉なら脂身の少ない部位を選び、鶏肉なら脂質の少ないむね肉部位を選ぶほか、皮を取り除くのも効果的です。
鍋ダイエット注意点②つけダレ&鍋つゆのカロリー・脂質量もチェック
鍋を食べるときは、具材をつけて食べるつけダレや、具材を煮るベースとなる鍋つゆのカロリー・脂質量にも注意しましょう。
例えば、鍋のつけダレの定番である胡麻ダレは、1食分で100kcal以上になるものがほとんどです。
せっかく具材をヘルシーにしても、つけダレでカロリーアップさせてしまうとダイエット効果は半減してしまいます。
ダイエット中の鍋のつけダレには、低脂質なポン酢やノンオイルのドレッシングを活用するのがおすすめです。
また、つけダレ不要で食べられる味・風味の強いキムチ鍋や、しっかりと出汁を効かせたお鍋もおすすめです。
煮汁に砂糖をたっぷりと使うすき焼きなどの鍋つゆは糖質・カロリーが高いため、ダイエット中は注意しましょう。
市販の鍋つゆであれば、商品パッケージに記載の栄養成分表示でエネルギーや糖質・脂質の量をチェックしてみましょう。
鍋つゆの種類やメーカーなどによって、栄養成分には意外と大きな違いがあります。
ヘルシーでお気に入りの商品を見つけて、ダイエットに活用するのも良いですね。
鍋ダイエット注意点③〆の炭水化物を食べ過ぎない
鍋の楽しみのひとつといえば、〆に食べる雑炊や麺などの炭水化物です。
しかし、ダイエット中に炭水化物の食べ過ぎはNGです。
〆の炭水化物は控えめにし、腹八分目を目安に食事を終えるようにしましょう。
残った煮汁を翌朝まで取っておいて、朝食に雑炊などとして食べるのもおすすめです。
ダイエットにおすすめの鍋レシピ
ダイエット中に鍋を食べるときには、いくつかのポイントがあることがわかりました。
それでは、それらのポイントを押さえたダイエット中におすすめの鍋レシピをご紹介します。
おすすめ鍋レシピ:鶏とたっぷりきのこの豆乳鍋(377kcal)
エネルギー377kcal P:F:C=3.8:1.6:4.8
<材料(1人分)>
- 鶏むね肉(皮なし)100g
- ぶなしめじ 50g
- えのき 50g
- 白菜 100g
- A
豆乳 200ml
水 100ml
鶏ガラスープのもと 小さじ2
塩 適量 - 〆:ごはん 80g
<手順>
- 鶏むね肉は一口大のそぎ切り、ぶなしめじは小房に、えのき・白菜は3~4cm幅に切ります。
- 鍋にAを入れ、ぶなしめじ・えのき・白菜を入れて煮立たせます。
- きのこ類・白菜に大体火が通ったら鶏むね肉を加え、完全に火が通るまで加熱します。
低脂質・高タンパクな鶏むね肉と豆乳を使った鍋です。
食物繊維たっぷりなきのこを使い、ボリュームもアップします。
きのこはお好みの種類のものに変えてOKです。
鍋つゆに豆乳を使い、さらに具材の旨味もしっかりと出ています。
そのためつけダレは使わず、さらに〆のごはんも少なめにしておきましょう。
お好みでおろし生姜を加えると身体が温まり、冷え性対策や代謝アップにも効果的です。
まとめ:ポイントを押さえて鍋をダイエットに活用しましょう!
ダイエットへの効果に賛否両論ある鍋ですが、ポイントを押さえればダイエットへの効果が期待できる料理です。
栄養バランスが取りやすく、キレイに痩せるためにも役立ちます。
ダイエット中に鍋を食べるときのポイントを押さえて、上手にダイエットに取り入れましょう!
SNSで「#マコトレ食生活」とつけて投稿してくだされば、
このBODYFAT30の編集長である山岸慎(@mako_trainer)が
コメントでダイエットのフィードバックや、励ましのコメントをしに伺いますので、ぜひ「本当に痩せたい!結果を出したい!」と思う方はどんどんチャレンジしてSNSでつぶやいてくださいね。