美容や健康に良いイメージのある「雑穀米」

ダイエット中の主食として白米などの代わりに取り入れている方も多いのではないでしょうか?

「雑穀米が白米よりも糖質が低いから糖質制限に使っている!」という方もいらっしゃるようです。

しかし、雑穀米が美容・健康に良いとされている理由はなんなのでしょうか?

また、雑穀米は本当に糖質制限に向いているのでしょうか?

そこで今回は、

  • 雑穀米に含まれる栄養素
  • 雑穀米がダイエットにもたらす嬉しいメリット
  • 雑穀米を食事に取り入れるときのポイント

以上の3点を中心に、現役の管理栄養士が雑穀米とダイエットの関係についてご紹介します。

雑穀米の糖質量は?白米と成分を比較

雑穀米とは、白米にキビやアワ・押し麦・ハトムギなど、様々な穀物を加えたもののことです。

加える穀物に決まりはなく、その種類や数に応じて「五穀米」「十六穀米」などと呼ばれることもあります。

美容・健康に良いとされている雑穀米ですが、その成分は白米と比べてどのくらい違いがあるのでしょうか?

ここでは、雑穀(米・麦・豆・アワ・キビ)と白米の成分について、ダイエットに活かすという観点で解説するため、糖質・カロリー・その他の栄養素に着目してみていきます(※1)。

雑穀米と白米の糖質量

糖質量
雑穀米(炊飯前) 65.1g
白米(炊飯前) 77.1g
雑穀米(炊飯後) 30g
白米(炊飯後) 36g

炊飯前の状態100gあたりで比較すると、雑穀米には65.1g、白米には77.1gの糖質が含まれています。

炊飯後の状態100gあたりに換算すると、雑穀米は約30g、白米は約36gとなります。

雑穀米のほうが白米よりも糖質が少ないですが、そこまで大きな差はありません。

そのため、主食を白米から雑穀米に変えるだけで糖質制限になるとはいえなさそうです。

雑穀米と白米のカロリー

カロリー
雑穀米(炊飯前) 357kcal
白米(炊飯前) 358kcal
雑穀米(炊飯後) 168kcal
白米(炊飯後) 168kcal

炊飯前の状態100gあたりでは、雑穀米は357kcal、白米は358kcalです。

炊飯後の状態100gあたりに換算すると、雑穀米と白米はどちらも約168kcalで、カロリーはほとんど変わらないことがわかります。

雑穀米に多く含まれる栄養素

炊飯前の状態100gあたりの成分を比較すると、雑穀米には白米よりも多くの栄養素が含まれています。

ミネラルでいうと、カリウムは約4.8倍、マグネシウムは約4倍、リンは約2.6倍、鉄は2.5倍です。

ビタミンでいうと、ビタミンDは6倍、ビタミンEは約44倍、ビタミンB1は約4.3倍、ナイアシンは約2.9倍、ビタミンB6は2倍、葉酸は約6.1倍です。

また、食物繊維も10倍以上となっています。

ほとんどすべてのビタミン・ミネラルが、白米よりも雑穀米の方が豊富であることがわかります。

雑穀米の糖質量は白米と大差なし!それでも雑穀米がダイエットにおすすめの理由は?

雑穀米と白米の成分を比較しましたが、糖質やカロリーには大差がないことがわかりました。

それでも雑穀米がダイエットに効果的であるといわれているのは、なぜなのでしょうか?

その理由をご紹介します。

雑穀米がダイエットに向いている理由1:血糖値が上がりにくい

雑穀米には食物繊維が豊富に含まれているため、血糖値が上がりにくいというメリットがあります。

血糖値が上がりにくいと、なぜダイエットに良いのでしょうか?

私たちが食事から糖質を摂取すると、消化・吸収されて糖が血液に取り込まれます。

「血中の糖が増える=血糖値が上昇する」ということです。

血糖値が上昇すると身体は血中の糖の量を減らそうとして、インスリンというホルモンが分泌されます。

インスリンは血中の糖を体中の細胞に取り込みますが、糖の量が多すぎると脂肪細胞に溜め込むようになります。

これが、糖質を摂り過ぎると体脂肪が蓄積するわけです。

血糖値が上がりにくい食品を「低GI食品」といいますが、雑穀米は低GI食品のひとつといえます。

そのため、雑穀米は白米に比べて体脂肪が蓄積しにくく、ダイエットに向いているのです。

雑穀米がダイエットに向いている理由2:便秘解消になる

雑穀米に豊富に含まれる食物繊維は、腸内環境を整えて便秘の解消にも役立ちます。

便秘になると老廃物の排出が滞り、ぽっこりお腹や肌トラブルにもつながるため、ダイエット中には積極的に食物繊維を摂取したいですね。

雑穀米がダイエットに向いている理由3:美肌効果がある

雑穀米にはビタミン・ミネラルが豊富に含まれているため、健康な肌づくりに効果が期待できます。

特に、抗酸化作用の強いビタミンEと、皮膚・粘膜の正常維持に必要なナイアシンが豊富で、キレイな肌には欠かせません。

また、食物繊維が便秘を解消して老廃物の排出をスムーズにしてくれるため、ニキビなどの肌トラブルの予防にも役立ちます。

雑穀米がダイエットに向いている理由4:代謝が上がり脂肪燃焼する

雑穀米に豊富に含まれるビタミンB1は糖質や脂質の代謝に関わっており、十分に摂取することで代謝をアップし、燃焼しやすい身体づくりに役立ちます。

ダイエット中は食事制限によって栄養が偏りがちですが、代謝を上げるためにはビタミン・ミネラルが欠かせません。

カロリーや糖質を制限するだけでなく、栄養バランスにも意識を向けてみましょう。

雑穀米をダイエット中の食事に取り入れるときのポイント

雑穀米をダイエット中の食事に取り入れるときには、いくつかのポイントがあります。

ポイントを押さえて、賢くダイエットに活用しましょう!

雑穀米ダイエットのポイント1:いつもの主食の代わりとして雑穀米を食べる

通常の食事ではごはんやパン・麺などの主食を食べますが、このときの主食を雑穀米に変えてみましょう。

いつもの主食を雑穀米に変えることで、血糖値が上がりにくくなったり、より多くのビタミン・ミネラルなどの栄養素を摂ることができます。

白米やパン・麺と比べると食感や歯ごたえもあり咀嚼回数が自然と増えるため、満腹中枢を刺激して食べ過ぎの予防にもなりますよ。

一口あたり30回を目安に、意識して噛むことが大切です。

雑穀米ダイエットのポイント2:主食・おかずの量は増やさない

いくら雑穀米がダイエットに効果的だといっても、雑穀米自体のカロリーは白米とさほど変わりません。

主食である雑穀米や他のおかずを食べ過ぎてカロリーオーバーしてしまうと、ダイエットには逆効果です。

一食あたり雑穀米100~150gを目安に、食事の摂り過ぎには注意しましょう。

雑穀米ダイエットのポイント3:PFCバランスを整える

主食を雑穀米に変えるだけでなく、食事全体のバランスを意識することも大切です。

食事バランスを考える指標として、「PFCバランス」を活用してみましょう。

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 【簡単計算】PFCバランスでダイエット成功!現役トレーナーが丁寧に解説

PFCバランスとは、食事から摂取するエネルギーのうち、タンパク質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)に由来するものの割合を示すものです。

ダイエット中には、P:F:C=2:3:5を目安にすると良いでしょう。

脂質の摂り過ぎや、糖質の摂らなさ過ぎ、タンパク質の不足などに注意しながら、野菜もたっぷり食べて食事のバランスを整えましょう。

まとめ:雑穀米を毎日の食事に上手に取り入れてキレイを目指しましょう!

雑穀米は白米と比べて糖質・カロリーに大きな差はありませんが、その他の栄養素が豊富に含まれていることがわかりました。

ビタミン・ミネラル、食物繊維などが豊富なため、血糖値の上昇を抑えたり便秘・美肌に嬉しい効果をもたらしたりと、雑穀米はダイエットに嬉しいメリットがあります。

とはいえ、雑穀米も主食のひとつでダイエット中の食べ過ぎはNGですから、その点には注意しましょう。

毎日の食事はカロリーや糖質だけにとらわれず、様々な栄養素をバランスよく摂ることが大切です。

ビタミン・ミネラル、食物繊維といった栄養素も意識して、健康的にダイエットを成功させましょう!

<引用・参考>
※1 食品成分データベース https://fooddb.mext.go.jp/index.pl

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